2015-10-27

先生と迷い猫 Sensei to mayoi neko

癖のある演技で好き嫌い分かれるだろうイッセー尾形。『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』の演技がとても好きで、久々の新作。つい期待してしまう。

奥さんを亡くし、独り身の偏屈な元校長先生。その家に毎日やってくる野良猫を見ると妻を思い出し、邪険にする。その猫がいなくなり、気になり、探す先生。

世界で日本くらいといわれる野良猫文化。それは飼い主の身勝手もあるし、飼わずに餌をやる地域住民の身勝手もある。衛生上も問題あり、飼い主の責任が徹底している欧米では考えられない文化を描いた作品にもそこんところは軽く触れられている。

身勝手ながら、それぞれ生きてく上での悩みや苦しみ、孤独を抱える人たちのドラマを野良猫は地域猫として癒やしてきた。

その猫がいなくなる物語は癒やしを求める人たちの懺悔の話。

勝手と云えば勝手だけど地域コミュニケーションを務めたのは野良猫であったという皮肉にもなる。

ペット依存の孤独な人々の物語は寂しい日本人でもあるのかも知れない。

0 件のコメント: